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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第17章 Confirmation ー確認ー






『う、五月蝿い……。』


尚も反論した私を見て
満足そうに笑ったザックは、
そのまま部屋の奥にへと歩を進め、
奥の方を覗き込んだ。


『奥に、何かあるの……?』


私は大きな木箱が幾つか重なってて
奥を見ることは叶わない。

だが、ザックは違うようだ。


「……あぁ。
これが、邪魔だな……。」


ードンッ!!!!ー


ザックは面倒そうに呟いて、
奥への部屋にへと続く通路の行く手を阻む、
幾つかの木箱を大きな音を立ててを破壊した。


……一発で仕留める(?)だなんて…。

木箱が脆かったのか、
ザックの力技が尋常じゃないのか、

……あるいはその両方か……。

……まぁ、どうでも良いのだけれども。


「……おい悠。
行くぞ。」


少し先に奥に進もうとしたザックが、歩を止めて
私を振り返って言う。


『……うん。
今行くよ。』


奥に歩いて行くザックの背中を追いかけて、
私も駆け足で奥に進んだ。


……視界が開けてその光景を見た私は
異様な雰囲気に顔を顰めた。



『…これ、は……。』


絶句する私と同様に、
ザックもその部屋が醸し出す
異様な雰囲気に眉根を寄せる。


一見、愛らしく見えるぬいぐるみは、
どれも不自然に縫い付けられ、
変な香りを放つ増加花瓶に活けられている。


その部屋に並べられたぬいぐるみは、
全て壁側にあり、

その部屋を取り囲むように、

あるいは
その部屋の中央を見つめるかのように…

ただじっと、1点に視線を集中させて、

大量に散乱していた…………。



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