第15章 Trial　ｰ裁判ｰ

____結局……。


その裁判で、私には
有罪判決が下された……。



"公平でない"と言われた裁判官は
弾劾裁判を受け、
その弾劾裁判で有罪判決を受けた私は、

1度人間として生まれ直し、
"社会勉強"をすることとなった……。


____…………は、
善悪の区別をつけることができない。

…………の行うことは、全てが善であり、正しい。
だが、最高裁判所長官は……そういうわけにはいかない。

だから、人間を見て、"善悪"を学ぶのだという……。


……ただ、
こんな権力ばかりの腐りきった組織の……
何が気高く、美しいものか……。


手枷と足枷が、私の手足で
うっとおしくジャラジャラ……と
まるで私を責め立てるかのように五月蝿く揺れる。

私が不在の間、
最高裁判所長官の代理は、

あいつがやるらしい……。


……"あいつ"が、
誰かなんて……。

そんなことを聞かないでほしい。

吐き気がする。


信じていたのに……。
彼には裏切られた……。



いや、
私が信じていた、"彼"そのものが
何もかも全て偽りだったのかもしれない……。



私は、黒々とした鉛色の池に突き落とされた。
……これは、何もかもの終わりで、始まりだった…………____