• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第11章 Floor B3 ー地下3階ー






「……でもよぉ……。
 なんで写真なんか撮らなきゃいけねーんだよ。

 ……下らねぇ……。」


ザックが面倒そうに、深く溜息を吐いた。


『……写真、嫌いなの?』


私は、ザックのそんな様子が気になって訊ねてみた。
すると、ザックは退屈そうに答えてくれた。


「知るかよ。

 写真なんか撮ったことも、撮られたこともねぇよ。
 ……撮りたいとも思わねぇし。」


まるで、反抗期の少年のような口振りに、
私は思わず小さく笑ってしまった。


『…そっか。
 でも、今回は先に進むために撮らなきゃダメだからね〜……。』

「ああ、くそ……‼
 わかったよ。
 撮ればいいんだろ……‼」


私とザックがそんな会話を終えた後に、
レイが不機嫌そうに言う。


「……動かないで…、
 ブレる……。」


ピシャリと言い放ったレイにザックは不服そうに叫んだ。


「んだよ‼
 お前真面目かよ……‼」

「……はい、そのまま……。」


ザックがレイに向かって叫ぶために止まった、
その一瞬を狙って、レイはポラロイドカメラのシャッターを切った。


ージー…ー


ポラロイドカメラは、音を立てて写真を吐き出した。

私は、写真を取り上げているレイに近寄って、
その手元を覗き込んで笑った。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp