The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第11章 Floor B3 ー地下3階ー
「テメェの寝起き事情なんて、心底知らねぇよ‼
それより、さっさとここを開けろっ‼」
焼け付くような、焦げてしまいそうな……、
そんな熱を発するスポットライトの下で、
ザックが吠えるようにそう叫んで、鉄格子を
ーガンッ‼ー
……と、力任せに蹴った。
……何故だかその様子が、
様になるから不思議だ。
《ええ、いいわ。
合格したあなた達には、その権利があるもの。》
女性の声が終わるのとほぼ同時に、
鉄格子のドアが自動で開かれた。
『…………行こう。』
ジリジリと私達を焼くように熱かったスポットライトは
既に消えていて、その室内は元通りの雰囲気を取り戻しつつあった。
私達は、鉄格子のドアを通って熱気のこもったその部屋を抜けた。
廊下のような場所に出た私達は、辺りをキョロキョロと見回す。
レッドカーペットを敷かれた通路を奥へと真っ直ぐ進んだところには、
ゲートのようなものがあり、開きそうにない。
……これじゃあ、
奥には進めそうにないな……。