• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第10章 Butler ー執事ー




「……主人がお世話になりました。
 セバスチャン=ミカエリス……と、申します。

 アイザック=フォスター様、レイチェル=ガードナー様…。
 以後、お見知りおきを……。」


そう言ってから、セバスチャンは恭しく丁寧に一礼した。


「……セバスチャン……さん…。」

「…………。」


レイがそっとセバスチャンの名前を呟いた。
ザックは…と、いうと……。
何故か無言でセバスチャンを睨みつけている…。

……セバスチャンも、ザックに対抗でもするように、
口元に穏やかな微笑みを浮かべたまま、
ザックをじっと見つめていた。


……仲がよろしいことで…………。


『……じゃあ、もう行こう。
 もうここに居座る必要はないんだから…。』

澱んで、ピリピリと殺気立ったような空気を入れ替えるかのように、
私は努めて明るく言った。


「……うん。
 行こう。」


私の言葉に、レイが淡々とした落ち着いた声音で言う。


「……ええ。
 では、行きましょうか。

 ガードナー様……私が鍵を開けて、エレベーターを起動させて参りますので、鍵を下さいませんか……?」

「…………レイでいい。」


レイは、跪いて自身に目線をあわせたセバスチャンに、
そう言いながら鍵を渡した。


/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp