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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚


【negai】






スーツに身を包み


余韻も程々に、支度を済ませる



腕時計を見て、
煙草を灰皿に押し潰すと



智くんは、

すっかり溶けて、
見るからに不味そうなウイスキーを口に含んでいた






「声ガラガラだわ」

「まじ?(笑)」






お互いに笑ってると、


緩んだ智くんの顔が、不意に真面目になる







「明日も来ンの?」

「え…?

何で?わかんないよ」

「……明日はさ、

真っ直ぐ帰ってあげたら?」

「………」









「あの子、……潤くん。
心配してたよ?」

「え……」

「さっき、ココに来てたから」








ドクンと跳ねた心臓は


自分の意志とは裏腹に、早鐘を打つ








どうしてアイツが……?






「安心してよ。"裏"には入って来てないから」

「……」

「翔くんが、
コレだけ詰めてココ来んのと関係してんでしょ?」








だから今日は、智くんがヤケにオシャベリなんだね



オカシイと思った






でもさ……?
どうして潤を知ってんだ?


話はしてても、本人に会わせた事なんてない









「多分さ?

そろそろ、何も知らないままってワケじゃいかないんだよ。

翔くん、アノコを引き取って何年経つ?」










触れて欲しくない部分だった


多分、表情に出てるはずなのに、智くんは淡々と話す








それは、
どこかで覚悟していたはずなのに……


月日が経つにつれ


胸奥へと閉まった過去




もしも、


雅紀との再会こそが、


俺のひた隠しにした過去を露わにする為だとしたら……



もう、引き返す事は出来ないのだろうか










何度願っただろう


潤…


どうか、


"大人にならないで"











いつまでも、

何も疑わない、子供のままなら良かったのにな……






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