• テキストサイズ

愛玩人形【気象系BL】

第3章 傷…


智子の頬の傷は、何日経っても消えることは無かった。

それは潤の見立て通りで…

最初に傷の手当をした時、潤は僕に向かっ言ったんだ。

「智子の頬の傷は、おそらく一生消えることはないだろう…」

と…

僕は智子の顔に傷を付けた母様を恨むと同時に、自分自身をも恨んだ。

僕ならば良かった。
僕の顔なら、どれだけ傷ついたってかまやしないのに…

ああ…、出来ることなら代わってやりたい…

僕は智子の頬に刻まれた醜い傷跡を見る度、後悔の念に苛まれた。

父様は、智子の顔に傷を付けた母様を激しく叱責した。
父様は智子を、それこそ目に入れても痛くない程に可愛がっていたし、それに何より、若い娘の顔に傷を付けたのだから、父様がお怒りになるのは当然だ。

でも母様は、何ら悪びれる様子もなく、それまでと変わらない態度で智子に接していた。

母様が智子の世話を使用人に任せることは、一切なかった。

智子の栗色の長い巻毛を結い、母様好みの洋服や着物を山のように買い付けては、それを智子に着付けた。

風呂の世話に至るまで、全て母様一人が行ってきた。

それは智子がこの家にやって来た時から、ずっと続いて来たことで、母様はそれについての不満を漏らす訳でもなく、漸く授かった娘の世話を、寧ろ楽しんでいるようにすら見えた。

それなのに何故…
/ 263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp