第3章 トリップと双子の弟
『ママ~、イタチおこちたよ~』
「ありがとうツバキ、おはようイタチ。」
「おはよう...」
イタチはまだ眠そうに目を擦っている。
そんなイタチの手を引き、座って、イタチも自分の隣に座らせた。
「ふふっ、ツバキはほんとに面倒見がいいのねー?」
そう言ってミコトさん...私のこの世界の母親は微笑んだ。
違うんです...私前世では20代後半だから小さい子見たら自然と面倒見てしまうんです..!っていっても私も見た目は「小さい子」なんだけどね..
私はとりあえず母親にえへへっ、っと作り笑いを見せて、
『「いただきます!」』
と、イタチと同時に言ってご飯を食べ始めた。
...これまでの私の大変な日々をとにかく聞いてほしい..聞いてほしい..!
だって20代後半の私がオムツ変えてもらったりとか?ご飯食べさせてもらったりとか?抱っこ..は別によかったけど..
それでも大分前に成人している私にはきつかった..
あと子供らしくとかできない。もう普通に喋れるのに(練習した)わざと子供らしい喋りかたしたりママって呼んだり..
それでも子供らしくないらしい私は普通なら怪しまれる、というか不思議がられるだろう。だって1歳半でこんだけちゃんと喋れる子供なんてそうそういないだろう。まあそれでもトリップしたとは思わないだろうけど。
とりあえず、話を戻すとそんな私が怪しまれない理由があるということを言いたかったのだ。
その理由というのは、
「..ねぇね、」
『んー?なぁに?』
「ご飯たえたらしゅぎょーしよ?」
はい、この会話でおわかりかと..
イタチも、子供らしくないのだ。そのせいかうちは一族では「フガクさん家のお子さんって双子なのよね?二人とも全然子供らしくなくてなんか気味悪いわよね」と言われているらしい。
まあ、父親がフガクさんということでみんなああ、フガクさんに似たんだねで終わらせてくれるが。
『うん!しゅぎょーしよ?』
そう言って少しだけ微笑んだ。