第5章 第三次忍界大戦
俺は時々...姉さんは何かすごく辛い事を抱え込んでいるのではないかと考えるときがある。
俺といるときふと悲しそうな顔をしたり、父さんと母さんが二人で話しているときその後ろ姿を見て、目を逸らしたり、この前はミナトさんとクシナさんが子供の話をしているとき泣きそうな顔をしていた。
何か辛いことを知っているのではないだろうか?
何か大事な事を隠しているのではないだろうか?
でも、何を隠しているのかは俺にはわからない。話してくれないということは、多分、俺にも関係することだ。
姉さんは俺に絶対に心配をかけないように配慮するから。
でも、俺は...
「...もっと、頼ってほしいんだけどな」
先ほど俺を自分の病室の布団に引きずり込んで手をギュッと離さないように握って、眠ってしまった姉さんの顔をジッと見つめたあと、そう呟き、控えめにため息をついた。
姉さんは、俺が危険なめにあえば、自分の命がどうなろうと助けにくるだろう。
本当に、姉さんは自分の事を大切にしない。
姉さんは俺の事が大切で失いたくないと言ってくれたけど、俺だってそうだ。俺を守って姉さんが死ぬなんて事があったら、俺は生きていけない。
「.....もっと、強くならなきゃ」
強くなって...
姉さんを必ず、
守ってみせる。
俺は、そう決意して、俺の手を強く握っている、姉さんの手を握り返し、眠りについた。