第11章 管理人と特訓
「.....」
『.....』
イタチと別れてすぐにシスイの元へ戻り、一族の事を伝えた。
二人で向かい合って正座をしている。
シスイの顔が..見れない。
『...ごめんなさい、シスイ』
「..どうして謝るんだ?」
声が、少し怒っている。
「...シスイが、自分を犠牲にしてまで助けようとした一族を...守れなかった.....ううん、守らなかったの..未来がかわるのを恐れて..」
本当に...ごめんなさい、
そう言ってギュッと服を握りしめながら、シスイに頭を下げた。
シスイの視線が突き刺さって痛い...
当たり前だ。シスイは一族の事を誰よりも大切にしていた。それなのに、私は、一族を助ける事ができたかもしれない立ち位置にいながら見殺しにした。
怒るのも...無理はない
俯いたまま黙る私にシスイは、はぁ、と一つため息をついた。
そのため息にビクリと肩が揺れる。
「.....顔をあげろ、ツバキ」
そう言われて、しばらく、あげるべきか迷ったが、ゆっくりと顔をあげ、シスイの顔を見た。
やはり、シスイの顔は少し怒っている。
「...本当に、俺がそのことで怒ってると思ってるのか?」
『え?』
私の様子に、シスイは、またため息をつくと急に頬をグッとつねってきた。
『ふえ?』
「...一族が滅んだことも、滅ぼしたのがお前とイタチだということも、正直ショックだ」
ビクリと体が揺れ、思わず目を伏せる。
「...だが、それも一族の運命だ。お前とイタチがそういう選択を取ったってことは、それが一番正しい選択だったんだろう」
驚いて、シスイの目を見る。
「俺は、一度お前達に一族を任せて命を絶とうとした..そんな俺がお前達を責めることもできないだろ?」
でも、といいかけたのをシスイが私には何も言わせない、というかのように頬をつねる力を強めた、
『っ...』
「...もし、俺がお前達と同じ立場だったとしても恐らく同じ選択をしていた。」
「里を...救ってくれて、ありがとう、ツバキ」