• テキストサイズ

愛し愛された者 [NARUTO]

第10章 暗い月夜


「じゃあ...最後の質問だ」


そう言って、イタチは一度大きく息を吸い、吐き出し、私の目をじっと見つめて言った。


「姉さんは......どこまで知ってるんだ?」


その質問に、少し困ったように笑った。


何というべきか...


まあ、どこまで知っているかと聞かれれば..全て知っている。


それをイタチに言っていいものなのだろうか..


「言っておくが...俺も姉さんの嘘くらいすぐに見破れるからな」


つまり正直に言え..と、









『......全部、知ってる』


ため息をつきながら言った。


ここで何も知らないとか中途半端に知ってる、とか言っても、イタチは私の嘘に気づいてしまうと思った。


イタチの中でも、私が全部知っている、という可能性が大きかったんだと思う。だから、わざわざ聞いてきたのだ。


『知っててほしくなかったんだと思うけど...全部、知ってる』




「...そうか」


そう..シスイの死の真相も、裏で誰が手を回していたかも、イタチの想いも、考えも、全部..
















『イタチは、これからどうするの?』


「俺は、“暁”という組織に入る」


『...ってことは、その組織は木ノ葉を危険に晒すかもしれない組織なのね?』


「...ああ、」


『そっか...』


「...姉さんはどうするんだ?」


『..私は、もっと力をつけるために、少し旅に出てみようと思うの』


「そうか..」


悲しそうに目を伏せるイタチ、


今までずっと一緒にいた弟と、しばらくは会えない。


『...イタチ、これ、持ってて』


「?」


イタチに手渡したのは、術式が刻まれているクナイ。


『...会いに行くから..』


「!、ああ...待ってる」


『うん...』


















『またね』


「ああ、また、」







/ 248ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp