第7章 鳥籠の少女
医者にみてもらい、リリスはなんとか一命をとりとげた。
リリスが目を覚ましたあと、レイチェルとクリストファはリリスを囲うようにして泣きながら、よかった、よかったといっていた
ただ、リリスの父親は姿をみせなかった
「どうして、私を助けるの」
リリスは私をじっと見つめていた
「私の暗殺計画がなかったことになったのも、貴女がエスト様に頼んだんでしょう?」
「ん?」
「私はね、グリフィスト様のいない間にエスト様と貴女を殺そうとしたのよ!?
そのあと、グリフィスト様を殺し、自分が女王へとなりあがろうとした」
リリスはグリフィスト様、エスト様を抜けば王族の血を継ぐ唯一の人。つまりは必然に2人が死ねばリリスが女王だ
「そして、王族である私の父が愛したアンナ様の娘を殺せば……と」
「それでは私は今までのリリス様に報いることなどできません」
私の言葉に目を丸くしたリリス
「リリス様、罪は罪です。でも、貴女は犯そうとした罪よりも重い、救いの手を差しのべてきた」
「リリアンヌ令嬢……」
私は私の額をリリスの額にあて、リリスの髪をなでた
「貴女はまだ、やり直せる。」
リリスはそのあと、数時間と私の胸で泣いた。
―――
まあ、大変なことがあったあと、私はいつもの日常に戻った。変わったものがあるとすれば、リリス、レイチェル、クリストファが私の家に遊びにくるようになったこと
「あの、ミアお嬢様」
いつものようにハーブティーをいれてくれるミシェが私に何かいいたそうに見つめてきた
「ミアお嬢様のこと、ミア様とお呼びしたいのですが」
「え…………!?」
「あ、ズルいですミシェさん。僕もミア様と呼びたいです」
なぜ、メイフィスまで
私はにこっと微笑んだ
「言いに決まっているじゃない」
そしてまた、春がやってくる。
第一部、完結