第5章 令嬢の大変な1日
「なんですってええええ!!」
朝食は家族で仲良く、囲む。その時、その場所、私はかなり、苦悩することになる日だったのだ
「ゼネスが旅から帰ってくるそうだよ。ミアに会うのをとても楽しみにしているそうだ」
父、ダニエルがなんとも穏やかにわははと、笑うのに、どうしてか、腹がたつ。
ゼネスが、旅行から帰ってくるですってえ!?
ゼネスと会ったのは私が転生者であることを知ってから、一度会ったことはある。
ミアはゼネスが大の苦手だったらしい。
思い出しただけで、かなり、苦い苦い、苦い、思い出ばかりと
アホね、というミアの小馬鹿にしていたこと。
……私も、転生者とわかって会ったとき、ゼネスは少し苦手だった。
だって、いつも、天使も恥じらう美しい、僕!とか、変なことばかり言うのよ。
……確かに、銀髪で美しき美貌は、きっとハイスペック攻略対象者と並べたって美しい容姿だが、性格に難あり!
残念イケメンなのである。
例えば、最近ではポエムっぽい手紙に赤いバラと『愛を込めて、美しき未来の花嫁』と小さいメモをそえた変なものがよく、届く
「……チェイス、何度言えばわかるの、スープは音を発てて飲まないのよ、スプーン使って」
隣で、チェイスがまるで動物のようにスープを飲んでいるのを叱り、自分を冷静にしようとする
……ああ、本当に会いたくないわ
「義母さん、義父さん、いつ、ゼネスはこちらにこられるんですか」
ローレンお兄様が尋ねると父、ダニエルが何も考えずな態度で答えた
「たしか、三日後にはミアのもとに飛んでい」
パシッ
……お母様、アンナがお父様の口を白いレースのハンカチで塞いだ
「ダニエル!……ゼネスは内緒にしていてほしいと言っていたでしょう、もう」
「あ、ああ、忘れていた」
ヒソヒソ話し合う、2人。 で、いつなの ?いつくるのよ
「三日後は……開けておかないとな、ちゃんと見張ってやらないと」
なんとも輝く笑顔のローレンお兄様。
「……チェイス、私のぶんのパンをとらないで」
マナーのなっていないチェイスを叱る
ため息が自然とこぼれた