第4章 お兄様の秘め事
【ローレン視点】
俺と同じベッドで規則正しく寝息をたてる。美しい少女は俺の大切な義妹だ。
最近になって、俺とミアの距離はかなり縮んだことを表すようだ。
前は、俺がミアの近くにいるだけで邪険されていたな
いつの間に、ここまで仲良くなったのか、時間は恐ろしいな。
……隣に眠った少女はどうにも妹にはみえなかった。だいたい、血は分かち合っていない、彼女だし、そりゃそうかもしれない。
だけど、いつもは……こう、可愛い妹というか
いつも、ミアは俺に幸せをくれる。
それは同じなはずなのにどうして、こうも意識してしまうんだ
彼女の寝顔にまたドキリと胸がなる。
こんなこと、今までになかったのに
この気持ちは……。
まるで、書物で読んだ"恋"という文字で表される……
………義妹に俺は恋をしたのか?そう考えると、どうも、彼女を手放したくないという気持ちが強くなっていく
「……だめな義兄でごめんな」
気づいては、いけない気持ちのはずが、しっくり、自分に合い、嬉しく思うのは
本当にダメな義兄だ。
――
【とある令嬢の専属執事視点】
あの時、僕は救われました。
繋がれた、鎖から放ってくださったのはミア様でした。
僕は、そばにいるだけで、とても幸せなのです。
なんて、いいながら、僕は貴女に認めてもらいたい、この想いを受け取ってほしいと望む……
執事が、奴隷であった僕が貴女を想うなんて許されない
だから……僕はそっと、貴女を見守ります。
貴女の隣で、貴女の一番の幸せを、僕はずっと……
好きです。……いつか、この、想いがそうなりますように。
お嬢様を困らせないために、僕は願うように、彼女のいる、あの場所をぼんやり眺めた
「メアリーさん、どうしましたか?」
「いえ、なかなか、可愛い恋だと思って、メイフィス、次の仕事よ」
ミシェさんとメアリーさんに呼ばれて、僕はまた、仕事に戻る