第50章 【のんびり】×【お家デート】
「…雨衣、いつもありがとね」
2人のんびりと過ごしていると、急にそんなことを言い出した。
あまりに突然過ぎて、少しおかしくて笑ってしまう。
「っふふ、急にどうしたの。」
「…なんか言いたくなって。」
照れたように笑って、そう呟く。
「こちらこそ、ありがとう。」
私からもと同じく言うと、目をぱちくりさせて驚いた顔。
それもまたおかしくて。
そんな所も、好きで大好きで。日々どんどん好きになって行く。
きっと私も照れてしまうから、言えないけど。
「好き?」
少しだけ不安そうな顔をして聞くから、私はすぐに答えた。
「うん」
「本当に?」
まだ、不安そうな顔。
「嘘で言わないよ。」
「…そっか。」
今度は嬉しそうに笑うと、トントンと床を叩いて私を呼んだ。
「もっとこっち。」
隣に座って、2人テレビを見る。
しばらくテレビの音だけの静かな空気が流れる。
けれど嫌じゃなくて、心地がいい。
どこかに出掛けてデートするよりも、私は家での方が好きだ。
外だとあんまり落ち着かないから。
前にそう話したら、空も同じだと言ってくれた。
特に何かするわけでもないけど、私にとってはそれが特別だ。
ずっとずっとこんな日が続けばいいのにと、何度も願ってしまう。
そんな事を考えながらぼんやりテレビを眺めていると、「お腹空いた〜」と声がした。
「じゃあ、なんか作ろうか?」
「いいの!?じゃあ、卵焼き。」
「分かった。」
「…楽しみだなぁ。」
そう言って目をキラキラと輝かせる姿は子供みたいだ。
「出来たよ。」
卵焼きを人に食べてもらうのは初めてだから少し心配だ。
結構甘い方だと思うから、好みに合うか分からない。
でもそんな心配は、空の笑顔ですぐにどこかへ行ってしまった。
「!これ、すごい美味しい!」
「…良かった…。」
「毎日でも食べたいくらい。」
真剣な顔して、私に言った。
「大袈裟だよ、」 なんて言いながら笑うけど、空は笑わないままで。
「大袈裟なんかじゃない。毎日作ってよ。」
「…?」