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色々彼氏 。【短編集】

第48章 【マイペース】×【のんびり】


「なんかさ、訳も分からず寂しくなる時ってない?」

ふと、何となく。そう思ったのだ。
別に今がそういう気分とかそういうことじゃない。

その質問に返事は無くて。ちらりと横を見る。

「…はぁ…」
やっぱり、寝ている。

「1人で何言ってんだろ。私。」
…まぁ、自由人な空と居るといつもの事なんだけど。
空は寝ていて暇だし、何してようかな。

折角だし、買ったばかりのパズルでもやっていよう。
大分前に買ったものだけど、時間が無くてまだ手を付けていなかった。

確か…あっちにあったはず。

「……だめ。」
「え、」

立ち上がろうとしたのに気が付いたのか、私の腕を掴んでそう言った。
ほんの少し前まで眠っていた空が、今は起きていた。

「隣に居てよ。」
「……うん、」

その言葉が嬉しくて、パズルをするのはまた今度で良いと辞める事にした。

「もっとこっち来て。」

ぐい、と引き寄せられ、距離が近付く。
ほんの少しでも動けば触れてしまいそうな距離。

「このくらい近付けば寂しくない?」
じっと私の顔を見て、そんな事を言う。

「さっきの話、聞いてたの?」
「うん、聞いてた。」
寝ていると思っていたから、聞いていたなんてびっくりだ。

「別に今がそう言う訳じゃないよ。」
「そっか。」
少し残念そうな顔をして、そしたら今度は何かを思い付いたような顔をして。

「俺が寂しいから。こうしてて。」
優しく抱き締められる。


「…雨衣。」
優しい優しい、声。

「好き、大好き。……本当は、抱き締めるだけじゃ足りないくらい。」

不安も寂しさも無かった。はずなのに。どうしてだろうか。
何か暗いものが無くなっていくような、雨が晴れに変わったような、そんな感じがした。

「…ありがとう。」
お礼を言うと、空は首を振った。

「俺は何もしてないよ。言いたいことを言っただけ。全部言ったことも嘘じゃないよ。抱き締めたりする以外だって、色々したいし。」

そう言ってぱ、と距離が離れる。
今の顔は見られたくなくて、下を見ると、

「顔見せて。」

顔を覗き込まれる。

「…顔真っ赤、可愛い。」

ふふ、と小さく笑って。そっと私にキスをした。
私の気持ちは、空には簡単にバレてしまうのかも知れない。
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