第1章 プロローグ
「ハーマイオニー!早く!」
ロンが私の腕を引っ張り、一つの部屋へと入る。その後から私達を追いかける人が。
「ハーマイオニー、君が行くんだ!」
暖炉の前に立ち、ロンが私の肩を掴んで言う。
「何言ってるの?!一緒に行くの!」
そう私が狂うようにして叫び言うと、扉が思いっきり開いた。それと同時にロンが私を暖炉の中へと押した。
「アバダケダブラ!!」
その呪文で相手の杖から青い光が放たれ、それがロンに当たった。
「あああぁ!!!」
「ローーーーン!!!」
私の記憶はここで途切れた。
次に目を覚ました時、私は見慣れない部屋の天井を見上げていた。
「おぉ、目が覚めたか。」
その声に私はゆっくりと身体を起こしその声の方を見た。そこには、ホットミルクを持ったおじいさんがいた。
「……誰?」
「私はただのおじいさんだ。海で倒れている君をここまで運んだ。体調はどうだ?」
「……大丈夫です。」
それだけ話、私はおじいさんがくれたホットミルクを口に含んだ。
「君、家はどこだ?」
「……家?」
「あぁ。この島の人ではないだろう。」
その質問に私は考え込んだ。なぜなら、この時の私は自分がどこから来てしかも自分が何者なのかも分かっていなかった。それをおじいさんは感じ取ったのか、質問をかえた。
「じゃぁ、名前は?」
「……名前、…………分かんない……。」
「……そうか、」
おじいさんはそれだけ言うと私の頭を優しくポンポンと撫出てくれた。
「私はクロッカスだ。ゆっくり休んでいればいい。」
「……え、ここにいていいの?」
「出て行きたければでていけばいい。」
クロッカスはそう言うと私の部屋から出ていった。
「……ありがとう。」
私は1人残された部屋でそうボソッと呟くように言った。