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怠惰症候群

第1章 冬


「また痴話喧嘩じゃないの?」
香苗が恐る恐ると言った感じで尋ねる。
啓太は首を横に振った。
「今度は本気。」
香苗を見上げる。
「他に男が出来たんですって。」
香苗の顔が、滅多に見られないほど本当に驚いた表情になっていた。
「マジかよ。」
「マジ。」
あっ、いつもと逆だ。
香苗さんが慌てて、俺が余裕で笑ってる。
その事実だけで啓太はますます笑いがこみ上げて来た。
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