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怠惰症候群

第1章 冬


再度会話を切り出したのは啓太だった。
「香苗さん、聞いてくださいよ。」
「おっ、どうしたー?」
机に頬杖ついて香苗は楽しそうに聞き返す。
啓太は机に突っ伏して、腕を枕代わりに香苗を見上げる体勢に入った。
「彼女なんですけど。」
「・・・ほう。」
香苗は笑顔を崩す事無く相づちをうつ。
啓太もまた、同じように笑顔を返す。
「この間ついに別れました。」
「はぁっ!?」
啓太は驚く香苗の様子を見て小さく笑った。
「いつ!?」
「10日ぐらい前?あ、12日前みたいです。」
パソコンの時計をちらりと見やって、啓太は呑気に答える。
まだそれだけしか時間が経ってないのか。
啓太は遠い出来事のように思い返した。
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