第4章 突然表れた風来坊は同士
どれだけ、私という存在に振り回されている人間がいたのか。
自分の存在が疎ましく思った。
けれど、あのことは湊にばれたくない。
それに雛斗くんは手元に私という存在を置いておきたいのだろう。
雛斗くんは私が付き合ってくれればバラさないとまでいっている。
どうせ、私なんて湊が好きでも付き合うつもりなんてない。
いや、付き合う資格なんてない。
だから、「私はその気持ちに心の底から答えることはできない。形式上としてしか答えることはできないかもしれない。それでも雛斗くんはいいの?」と彼に告げた。
正直な話湊にはあのことがわかれば嫌われるかもしれない。
けど、それを隠してあいつと付き合うつもりもない。
なら私はあいつとは、湊とは幸せになれない。
なら、自分のことを好きと言ってくれる人と幸せになった方がいい気がした。
都合のいい話かもしれない。
けれど私には逃げ場が欲しかった。
なら、この話のってもいいかな、なんて思った自分がいた。
雛斗くんは「俺と付き合う以上、やることはやる。そうなるかもしれないけど、それでいいなら俺はいいよ。それに七華ちゃん、人がいいから俺がまた彼女取っ替え引っ替えしてたら何かいうでしょ?それに、趣味も一緒なんだしそこら辺の男よりいいと思うよ?」そう半笑いでいう。
内心よくそんな態度取れるななんて思った。
そこまでして手元に置いときたいのか。
けれど私にはその話にのる以外選択肢は残ってない。
だから私は「さっき言ったこと、踏まえてくれるならいいよ。」といった。
内心断りたい自分もいた。
けど、これを断れば湊との関係は壊れる。
なら、私は[友達]でいられる選択を選ぶ。