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ある晴れた日に。

第3章 3








近藤先生の申し出から、もう一週間がたとうとしていた。


今日もじいやからの許可はおりない。




近藤先生はあれから毎日のように城にきてくださる。
稽古のある日には稽古をし、ない日には応接間で外のお話をたくさんしてくれる。

そして、城に来る度にじいやに会い
私を少しの間でも遊びに出れるように掛け合ってくれる。


それでも私は

いまだに塀のなか。




「はあ…」


今日は快晴だ。
真っ青な空にきらきらした太陽が城下町を照らしている。
皆、働き、遊び、いきいきとしている。

この空のように、なれたら…。


部屋に入り込む光に身を包まれ暖かな気持ちになる。


コンコン…


どうやらお客様らしい。控えめなノックが聞こえる。

窓の外を見つめたままで「どうぞ」とだけ返した。



「かえでちゃん…」

「あ、近藤先生….」


こんにちはと微笑むと近藤先生は少し暗い顔をした。

ああ、今日もだめだったのか。
そう思うと少し悲しい気持ちになる。

でももう…


「近藤先生…いろいろありがとうございます。
でも、もう…」「かえでちゃん!!抜け出そう!」

「え…?」


ふんっと鼻息荒く意気込む近藤先生。
暑苦しい。


「城のヤツらは薄情だ!!かえでちゃんは毎日毎日こんなに頑張って稽古をこなしているというのに
少しの外出ですら許してもらえない!!
いつもこんな部屋で1人きりじゃ寂しいに決まってる!
なのにとっつぁんもじいやさんも許可できないの一点張りだ!!
これじゃあ軟禁だ!俺は許せない!!」


がしっと肩を掴むとぐっと顔を近ずけて

「俺はかえでちゃんを誘拐するぞ!!」






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