第15章 告白シリーズ【跡部】
せいなが今日、告白された
忍足からそう聞かされた
その瞬間俺は冷静には居られなかった
何故?そんなの簡単だろ!俺はせいなの事がずっと好きだったんだ
その好きな奴が他の男に取られそうだと?
はっ!?許さねぇ!
俺は部活中だったのにも関わらずテニスコートから走って後者に向かった
忍足が「せいなは教室にいるんと思うでー」なんて走ってる俺に言ってきた
俺は走ったまま背を向け手を軽く上げた
せいなの居る教室の前の廊下に着くと俺は1度深く深呼吸をした
ふぅ…
教室のドアを開けるとそこには案の定せいながいた
『あ、けいご?どうしたの??』
俺の方を振り向いて聞いてきた。だが俺はそれをスルーし
「お前今日告られたのか…?」
少し眉間にシワを寄せせいなの目を見てそう聞いた
するとせいなは顔を逸らし下を向き顔を少し赤くして
うん、と小さく頷いた
俺は続けて「返事はどうしたんだ?」と聞くのが怖かった
多分俺は失恋したんだ、そう思えたから
この俺が失恋、なぁ…
夢になんて見たことなかったぜ。もうやけくそだ
フラれるの覚悟でせいなに気持ちくらい伝えてやる
まだ下を向いてるせいなの名を呼び
「おい、いいか?俺は今から大事なこと言うぞ、1回しか言ってやんねぇからな。しっかり聞いとけ」
ふぅ、と1度息を吐き
せいなの目をしっかりと見つめ
「俺はずっとお前が、せいなのことが好きだった」
せいなは聞き終わるとすぐ下を向いた
やっぱり、ダメだったか…
少し期待をしていた俺がいたから結構メンタルがきついぜ
いきなり悪いな、そう残して俺は教室から出ようとした時せいなが俺を呼び止めた
『あの、ね!私もずっとけいごの事が好きだったよ…っ』
耳まで真っ赤にしてせいなが大声で言った
その刹那、俺は振り向いてせいなを思いっきり抱きしめた
「大好きだ、愛してる」
嬉しさのあまり声が少し震えてる。カッコわりぃ…
でも今はそんなのどうでもいいくらい嬉しい
『私も大好きだよ…』
そう返してくれるせいなの声がとても優しかった
せいなから離れるとせいなは
『両想いだねッ』
なんて優しく微笑んだ
【完】