第1章 プロローグ。
私の趣味は妄想。
と言うか、アニメ1話見るともう止まらなくなる。
アニメへの愛で1話につき現行用紙5枚分くらいは楽勝で妄想付きの感想が書ける。
そして、もう一つは夢小説の執筆。
始まりは『うごくメモたち』という携帯ゲーム機のネットアプリで、上位の小説を見たこと。
アニメや漫画のキャラとの逆ハーものだった。
100ほどの評が入ったそれを見た感想は、冷めたもので『これくらい私にも書ける。こんなので評がもらえるなら、私も書いてみたい』
見様見真似で、キャラ達に(可愛い///)だの(天使///)だの思わせて、頃合を見計らってキスさせ、砂糖を吐かせた。
出来上がったものを投稿したところ、案の定200評を獲得。自分の書きたいものではまったく無かったがそれでも、コメントにもてはやされ悪い気はしなかった。
そこからは早かった。すぐに型にはまっているだけでは、満足出来なくなったのだ。
元々妄想好きだったのも手伝って、次々と自分の世界を言葉にして作品を生み出していった。
立派な妄想女子へと成長を遂げた。
いつも途中で、別の話が思い浮かびすぐ次の作品に手を出すため完結した試しがない。
そのせいか私をお気に入り登録する人は少ないが、たまに物好きな読者様もいるようで70人ほどの方に支えてもらっている。感謝。
「よし、出来た」
2時間ほどかけて文字数ギリギリになったものを投下し満足したところで、やっと課題を取り出した。
今朝担任の胃を痛めさせたばかりだ。今日はちゃんとやりますとも。えぇ。
私は勉強が嫌いな訳ではないのだ。
ただちょっと、スイッチが入るまでに時間が必要と言うだけで。
”飲み込みはいいんだから、やれよ……お前はまったく”
と課題をサボったツケが回って来たときに褒められる位には出来た子だと自負している。
え、褒められてはいない?いやいや、そんなまさか。
……あ。
”そんな……照れます”
と返したときに微妙な顔をされましたが、もしかしなくてそれってそう言うことなのでしょうか。
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翌日、有言実行。朝1でちゃんと課題を提出した。もちろん全ての欄を埋めて。
「お前はやれば出来るじゃないか……!先生信じてた!今日もやって来いよ!」
本当に嬉しそうに言われて心が傷んだ。
はい。ちゃんと持ってきます。
先生、今まですみませんでした。
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