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【ヒロアカ】世も縋ら

第3章 命令





『あのさ、やっぱり流石に毎日は、練習場行けそうにないわ』


そうキッパリ切り出したのは
悲しくも同じ方向に車輪を動かす
電車内での事だった



「は?てめえに反論する権利ねえんだよ」


暴君…



『そう言われても、無理なものは無理』

「ッ!!」

『でも』


怒鳴り声が車内に響く前に
遮る様に言葉を発する


『怪我した時、連絡さえくれれば
私はあんたを治しに行くよ

いつでもね』


そう、彼の方は向かず
真っ直ぐを見つめて言う


「……クソッ」


悪態をつきながらも
結局は引いてくれた彼を
嫌いになれない自分がいる


彼はカバンを漁り
携帯を出す

「おら」



そう言って渡された物の画面は
既にラインのQRコードを映していて
私はクスリと笑ってしまった


新しく増えた友達を確認すると
そこに表示されていたものに
あ、と声を零してしまった



『…名前、爆豪勝己って言うんだ』



そう言えば名前
聞くのすら忘れていたな


爆豪は自身の携帯を睨み
隣の女の名前を知る

「……神奈…」


ボソリと確認する様に呟く爆豪に
なぜか急に恥ずかしさが込み上げてきて



またお互いに
無言になった


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