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愛される少女【HP】

第81章 森の中


「その大きなボサボサ頭をせいぜい低くしているんだな、グレンジャー」

ドラコが嘲けった。私はそこで声を発する。

『ドラコ。あなたの親がもしあそこにいるなら、伝えておいてちょうだい。最低よってね。あぁ、あなたもハーマイオニーに対してずいぶん失礼なことを言っていたわね。最低よ、ドラコ』

「ユウミ、私は平気よ。だから、行きましょう!」

ハーマイオニーがそう言ったため私は頷く。ハーマイオニーがハリーとロンを引っ張って、私達はまた小道へと戻った。

「あいつの父親は、きっと仮面団の中にいる。賭けてもいい!」

「そうね。うまくいけば、魔法省が捕まえてくれるわ!」

ロンが熱くなってそう言い、ハーマイオニーも激しい口調で続く。

「いったいどうしたのかしら。あとの人たちはどこに行っちゃったの?」

小道はキャンプ場の騒ぎを不安げに振り返る人でかなり混雑していたが、フレッド、ジョージ、ジニーの三人の姿はどこにも見あたらない。道の少し先で、パジャマ姿の若者たちが集まって、何かやかましく言い争っている。

「ウエ マダム・マクシーム?ヌラヴォンペルデュー(マクシム先生はどこに行ったのかしら?先生を見失ってしまったわ)」

私達の姿を見つけると、豊かな巻き毛の女の子が振り向いて早口に話し掛けた。

「えー...なに?」

ロンがそう言ったのを聞いて、私は豊かな巻き毛の女の子に近づきフランス語で'その人はどんな人かしら?'と言う。女の子は私が話せたことに驚いた様子を見せたが、すぐに特徴を教えてくれた。

見かけていないことを伝えると、笑顔でお礼を言いくるりと背を向けた。私達が通り過ぎるとき、その子が'オグワーツ'と言う声がはっきりと聞こえた。

「ユウミ、あなたなんて言ったかわかったの?」

『えぇ。先生を見失ってしまったみたいよ』

「あの子、ボーバトンね」

ハーマイオニーはぽつりと呟く。

「なんのこと?」

ハリーが尋ねる。

「きっと、ボーバトン校の生徒たちだわ。ほら...'ボーバトン魔法アカデミー'...私、'ヨーロッパにおける魔法教育の一考察'で、そのことを読んだわ」

「あー......うん...そうなんだ」

ハーマイオニーの答えに相槌を打ったハリー。ロンが杖を引っ張り出し、ハーマイオニーと同じように灯りを点け、目を凝らして小道を見つめて言う。

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