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ブラック本丸に舞い降りた異形の神

第1章 三日月宗近の祈り


「鶴丸国永は大丈夫です。 迎えに行きましょう。」
アキラは眉間に皺を寄せ、俺よりも辛そうな傷付いた顔で俺を見上げていた。
「アキラ…。」
そうか…。アキラはこの本丸での出来事を知ってるのか…。
「何故… 何故、今だったのだ。 もっと… もっと早く助けに……。」
助けに来て貰って何という言い草か… 自分で言って本に支離滅裂な。
目の前の神様を責めて何になるというのか気持ちが益々落ち込む。
「……少し私の話しをしましょうか。」
アキラは俺の責めに怒りもせず、綺麗な顔は無理に笑顔を作ろうとしたのだろう。複雑な顔で俺の目を真っ直ぐに見ている。
「私は元々人間でね… 。」
アキラの瞳には涙が溜まっていきユラユラと切なげに瞳が揺れた。
人間……。
自然と生唾を飲み込み緊張して強張る体をやり過ごす。
「……どのくらい前だったかな。 私の生きた時代に刀というのはまだありませんでした。」
俺を真っ直ぐ見ていた瞳は枝垂れ桜へと移りそよそよと風に靡く桜を見る。
「私は母から…、村人から呪われた子と忌み嫌われていました。」
再び俺に視線を戻すと良くある話しですと悲しげに笑うアキラ。
「ある事件があり私の人間としての生涯は17で終えました。」
アキラは瞼を閉じて繋いだままの俺の手を柔らかく握り直す。
「私を不憫に思った産土神様が 、私を神へと迎えてくれました。」
軽く睫毛を震わせ瞼がゆっくり開くと色素薄めの瞳が俺を映す。
黙って話しを聞く俺に微笑むアキラ。
「ここの事は先程偶然に見つけて、三日月宗近… 貴方の心の声を聞きました。 その時、同時に此処での出来事も…。」
再び悲しげな顔になると申し訳ありませんと俺に頭を下げる。
俺は何という八つ当たりをしてしまったのだ…。

「顔を上げてくれ。 俺こそ申し訳ない… 。」
ゆっくりと頭を上げるアキラとは逆に俺は頭を下げる。
「み、三日月⁈」
頭上でアキラの慌てる声が聞こえるが、そのまま話し続けた。
「長年あの状態で放って置かれていたものでな。 心は荒んだままのようだ。 本に申し訳ないことを言ってしまった。 申し訳ない。」
頭を上げずにいると困った声が降ってくる。
「頭を上げて下さい。 私は責められても仕方ないと思ってます。」
「否、しかし…。」
頭を上げるのを渋ると
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