第7章 いつもと違う帰り道とやっと気付いた気持ち
顔が熱い。頬に触れてみると、熱を帯びているようで、もしかしたら赤くなってしまっているかもしれない。こんなの見られたら、また宗介さんにいちごみたいとか言われてしまうかもしれない。
私の前を凛さんと歩いてる宗介さんの様子をうかがおうとする。でも、宗介さんが視界に入ると顔どころか身体が、かーっと熱くなってしまって自分ではどうすることもできなくなってしまう。
何て言うか・・・恥ずかしい。宗介さんのことを見るのが恥ずかしい。
・・・違う、もうただ側にいるだけで恥ずかしくて逃げ出したいような気持ちになる。どうしちゃったんだろう、さっき頑張って『宗介さん』って呼んでみたからかな・・・
『面白かったですね』なんて江先輩達には言ったけど、正直映画の内容なんてほとんど頭に入らなかった。気付いたら抱き上げられて、私は宗介さんの脚の間にいた。宗介さんは何とも思ってないみたいだったけど、あの格好、まるで後ろから抱きしめられてるみたいだった・・・
それに、今まで優しくしてくれたことなんてないのに、学ランをかけてくれたりして・・・大きい宗介さんの学ランに包み込まれて、身体だけじゃなくって心まであったかくなっていくような。少しだけ、泣きたくなるような感じ・・・
本当にどうしてしまったんだろう・・・誰かに話してみたい気もするけど、江先輩は宗介さんとは幼なじみだからなんとなく話しづらいし・・・
とりあえず、家に帰ったら一人で落ち着いて考えてみよう。