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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


僕は調査偵察班の人達に少しだけ
ティナの昔話をする


「ティナは6歳〜7歳の1年間
監禁されてました…」


イケメンさん達がみんな驚いている…
そりゃそうだよね…

僕はそのまま話を続ける


それはティナが国を逃げ出した後のこと
独り身になったティナは
僕の家族の助けを借りずに流浪の身だった

流石に不安だった
たった5歳の女の子が見知らぬ国で
放浪としているなんて…

だから僕の家族は定期的にティナに手紙を送った
もちろん返事が返ってくるから
それでティナの安否を確認していた


暫く経ったある日、突然返事が来なくなった
すぐに僕の家族は捜索を始めた

1年経っても見つからない
もしかしたら殺されたのかもしれない
そんな焦る気持ちもありながら探し続けた

そして見つけた…
僕が1人でその家に突入した
と言っても… 僕はティナの一つ上だから
その時、僕は8歳だったな…


ティナを見つけた…

水が入っているカプセルの中に
チューブが体を繋ぎ
目を閉じて浮かんでいるティナを…


衝撃的だった
こんな家に、こんなカプセルの中に
1年間も何も出来ずにいたティナ


僕は必死になってカプセルを割った


パリーンッ!!


カプセルの破片が散る
一気にカプセル内の水… 謎の液体が流れ出る…



「…その日からです
ティナが全身水に浸かると意識を失うのは
きっと思い出してしまうんだと…」


ティナの昔話の一部を話終える
僕とティナと前いた909のアステル最高官
3人しか知らない話だったのに…


「話してくれてありがとう、レン
そして、ティナを危険な目にしてすまなかった…」


「僕も話していませんでしたから…
ホールさんが謝る事ではないですよ…」


部屋に沈黙が流れる


「何故、化学研究班なんでしょ〜か…?
これだけの実力があれば
調査偵察班に所属できますよね〜?」


沈黙を破ったのはエリオットさん
不思議そうな目でこちらをみている


「僕もティナと同じ部署が良かったです…
決めたのはクロス総司令官ですから…

じゃあ、僕はそろそろ戻りますね…
仕事を放棄してきたので…」


本当はもっとティナの隣いたい…


そんな想いは隠して
振り返らずに医療再生班を出た
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