第43章 ミトハ 戦(2)
「百合子!」
「咲良さん!夜に出たら駄目だよ!!」
と佐助くんが私を止める。
「いや!たった一人の妹がどこに行ったのかも知らないのは、いやだ!」
私は、泣いた。
もし、百合子に何かがあったら私は、明日からどうやって生きよう?
百合子は、たった一人の実の妹だから絶対無くしちゃいけないもの。
「咲良。」
とその時義元さんが私の頰叩いた。
「ッ……!?」
「今は、戦をしている。勝手に動かれたら君……死ぬよ?」
私は、息を飲んだ。
「もし、君が変に動けば百合子を連れ去った奴が百合子を殺すかもしれない。」
「……」
「だから、今は静かにしてて。」
と義元さんが言うと、私の目から温かいものが流れた。