第42章 ハミト 戦(1)
「辛くないの?」
と義元さんが聞く。
「辛いです。」
私は、下を見た。
「私のせいで、みんなを巻き込んじゃったんですから、とても辛いです。」
「ふーん。そう。」
沈黙が流れた。
「ねえ。思ったんだけど、それは何?」
義元さんが指したのは、弓矢で矢には一寸ほどの玉が付いている。
「これは、私と百合子が迷わないようにするための道具です。」
「道具?武器じゃなくて?」
「はい。生憎、私たちは戦を知らない者達ですから何が起こるかわかりません。」
「なるほど。」
義元さんが言うと
後ろから幸村と百合子がやって来た。
「咲良姉上、幸村って女心っていうものを知らないの?」
「はあ?お前の姉は本当にイノシシ女だって言ってるだろ!」
何やら幸村の顔が赤い。
もしかしてね……?