第39章 変ホ短調 回り始めた歯車
咲良姉上……
「まだ、覚まさないのかい?」
「義元様……」
義元様は私の隣に座った。
「ええ。まだ、目を開けてもいないのです。」
私はまた咲良姉上を見た。
「……ねえ。なんで死のうとしたの?」
「……。」
私は、チラリと義元様の方を見た。
「義元様は、ここの時代に生きている草山家と華山家のことを知っていましたよね。」
「うん。草山家と華山家は確か上下関係で、君らは華山家でしょ?」
「はい。けれど、私たちと他の三人の血の繋がったきょうだいは、本来の苗字は『草山』なんです。」
義元様は少し考えてから
「ということは、今の時代から君たちの時代までに何かあったんだね。」
「はい……。」