第24章 ハ長調 宴
三十分もせずに
私の身支度は終わった。
鏡に映る自分が全く別人のように見えた。
こ、こ、これが
わ、わ、私?
こう言う正装を着るのは、お正月ぐらいであった。
他は、と問えばコンサートの時にドレスを着る。
「咲良。」
と襖を誰かが開ける。
「政宗?」
政宗は、なぜか頰を染めて膠着していた。
「政宗。まさーむねー!」
「!あ、わ、わりー。ちょっとしただけでこんなに綺麗になるんだな、お前。」
政宗は、私から目線を外す。
やはり、頰は赤いままだ。
「そうかな?かなり自分も驚いているの。やっぱり、この時代の腕は凄いや。」
とボソリと言う。
「じゃあ、行くぞ。広間に。」
政宗は、私の手を掴んで部屋から出た。