第23章 弍点ロ 骨董品〜義元〜
「咲良様!よくいらしてくださった!」
とおじいさんが言ってくれる。
「琴を見に来たの。いい品はありますか?」
「はい。ありますよ。」
とおじいさんが店の奥へと向かった。
「君、咲良っていうの?」
えー…?
私は、後ろを振り返った。
そこには、静かそうな男性が扇を持って立っていた。
「あ、あなたは?」
「僕の名前は、義元。自由な呼び方でいいよ。」
義元さんは、私をじーっと見つめる。
「ねえ。君ってなんでここの店主に様付けで呼ばれてるの?苗字は何?」
この人鋭い……!
織田って言ったら、ちょっと信長様に申し訳ないので元の名前『華山』にしておこう。