ヤンデレヴィクトル氏による幸せ身代わり計画【完結済】
第5章 関係が変わる話
「私を、本当に?」
「本当だ。桜、愛してる。ユウリと話していて気付いたんだ。
初めはユウリに似てるから興味を持った。
そして、話す機会をずっと伺ってるうちに段々惹かれていって…でも俺はユウリを好きだと勘違いしてたからあんな事を仕出かしてしまった。
もう酷いことはしない、怖がらせないように気をつける、そうしたらまた俺と会ってくれる?」
桜は勇利の言っていた事が本当だったんだと、ヴィクトルが自身を好きでいてくれた事をとても嬉しく感じ、自身の思いを彼に伝えた。
「私、私まだあなたの事が好き…あなたさえよければ会いたいと思ってる」
「本当に!?まさか、そんな信じられない…あ、いや桜を疑ってるんじゃなくて、こんな俺に都合のいい話……ああ、これは夢か?」
Amazing!と感極まった彼を見ていると、もう桜はヴィクトルに対して感じていた怯えがほぼ消え去っている事に気付いた。
「本当、嘘なんてついてないよ…ヴィーチャ?」
「桜っ!」
初めは優しく唇を落とし、お伺いを立てるように彼女の唇を舌でノックする。
遠慮がちに淡くそこが開かれると、舌をゆっくりと割入れて、歯茎や歯列をなぞり、その奥にある舌を吸うと桜が小さく喘ぐ。
ヴィクトルは下半身に熱が溜まるのを感じて、そっと唇を、離した。
銀色の糸が互いを繋ぎ、ぷつりと切れる。
赤く染まった頬や、てらてらと怪しく光る唇が目に入り、唾をごくりと飲み込んだ男は兆した己の分身を桜にそっと押し当てた。
「桜、その、これ以上は我慢がきかないから…行為が駄目なら離れてほしい」
「い、痛くしないなら、大丈夫…です。あと避妊も…」
「絶対優しくするし、スキンもちゃんと着けます!」
「なら、可愛がって下さい、ヴィーチャ」
まるで童貞に戻ったかのようにヴィクトルは酷く興奮して、桜を寝室へと連れ込む。
するとそこで寝ていたマッカチンが起き、彼女の姿を認めると、嬉しそうにわん!と吠えた。
それから2人の様子にやれやれというように部屋を出ていった事により、2人の緊張は解けて、まるで何事も無かったかのように、しかし互いの溝を埋めるかのようにお互いを求めあった。