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大人の恋してみませんか?

第2章 偶然?必然?



忙しい日々の中、仕事の合間に入院している先輩のお見舞いに来た。

「元気そうで良かったな。」

同じ現場にいた立花と病室を出て院内を歩いていた。

「そうだね。もうすぐ退院できるって言ってたしね。」

「きっと次に会うのは現場だね。」

「そうだね。」

なんて先輩の元気そうな様子に安堵しているとーーー

廊下の向こうから見覚えのある人が歩いてきた。

その人は患者さんに声を掛けられると笑顔で立ち止まり、目線を合わせるように膝をつきしゃがんでいる。

何かを聞かれてるというより、世間話をしているようだ。

優しく笑うその人は…立ち上がると患者さんに会釈をしてこちらに歩いてくる。

立ち止まる俺に立花が不思議そうに名前を呼ぶ。

「福山?どうした?」

「えっ…あぁ…」

ガラにもなく動揺しているとーーー

「あっ。。。福山…さん?」

その人は驚いた様子で俺の名前を呼んだ。

「高野さん…だっけ?ここの病院で働いてたんだ?」

「はい。福山さんは?」

「僕は先輩が入院してるからお見舞いに。」

「そうなんですね。。。あっ、すみません。」

隣で彼女と俺を交互に見てる立花に頭を下げる。

「あっ、いや。てか、福山の知り合いなの?」

「うん…まぁ…この前たまたまね。仕事は知ってたけど、ここで働いてたのは知らなくて、偶然。」

「そうなんです。」

立花に向ける笑顔。
飲み会の時には見たことない。
これが営業スマイルというものなんじゃないかと思うほど。

「そうなんだ~。」

立花は俺をチラリと見ると…

「じゃ、俺ちょっと喉渇いたから売店行ってくるわ。」

ニヤニヤしながら去って行ったけど…気を遣われてもなぁ。。。

チラリと横目で彼女を見て、俺も帰ろうと考えているとーーー

「あの…福山さん。」

思いがけず彼女から声を掛けられた。

「えっ…あっ…何?」

「福山さん、嘘つきましたね?」

「えっ!?うっ…嘘?」

確かに俺は普段くだらない嘘をつくけど、初対面の彼女に嘘をついた覚えはないけど。。。

「聞きましたよ。この前の飲み会…福山さんにご馳走になったって。」

「へっ…?」

何かと思えばそのことか。

「そんな嘘なんてつくからーーー」

怒ってるんだろうなぁ~なんて思っていたら。。。

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