第2章 偶然?必然?
あの日の飲み会から数週間ーーー
それももう過去の記憶になるくらいに慌ただしいけど、いつも通りの生活。
今日も1日頑張って色々な仕事をこなして、帰路につくのはもう少しで日付が変わりそうな時間。
駅に向かう人の群れはいつもより多く、よく見てみれば野球のユニフォームを着てる。
こんな時間まで…延長でもしてたのか?なんて、そんなに興味もないのに考えたりした。
電車も混みそうだし、もう遅いしタクシーに乗ろうと駅を少し通り越してタクシーを探そうと振り返るとーーー
あれ?あの子。。。
いつだかの飲み会でノリで相席になって、二人で抜け出して帰った子。。。
野球のユニフォームを着た彼女は応援してるチームが勝ったのか楽しそうに笑ってる。
あんな楽しそうに笑うんだ…なんて思ってたら、一緒にいる人に目が止まる。
やっぱり彼氏いたんだ。
それにしても随分…その…若そうな彼氏だった。
すごく楽しそうに駅に入ってく二人を見て、俺はタクシーを捕まえ乗り込む。
どうりでガードが堅かったわけか~なんて考えて、あの時やっぱり連絡先なんて聞かなくて良かったと思った。
彼女のことだから、迷惑そうに困った顔を一瞬するんだろうな~と想像してフッと笑いそうになった。
もう彼女に会うことはないと確信して、思い出すことも最後になった。