第18章 後輩ー智②ー
智「…ん…」
あなたの声で 意識が戻る
ベタベタになった服を脱ぎ捨てて
あなたを抱き上げて 浴室へ向かう
このスーツとワイシャツはもう着れないな
智「…どこ連れてくんだよ…」
翔「身体 綺麗にしようね ナカのも掻き出さないとツラくなるでしょう?」
智「ん…」
何とか浴室の壁を支えに シャワーを浴びて
ナカも綺麗に掻き出して
バスタオルにくるんで ソファに下ろす
翔「今日の智くん 凄かったよ…?」
智「…」
翔「智くん?」
智「…恥じぃ…」
拗ねたように そっぽを向いて
翔「俺は嬉しかったよ?あんなに欲しがってくれて」
智「いい 言うな…」
粘膜に直接アルコールって
酒を飲むよりダイレクトに身体が吸収するのかな
下手な媚薬なんかより
ずっと効果あるんじゃないのか?
智「…知念…」
翔「ん?」
智「諦めた?」
翔「ううん 諦めませんって」
智「え?」
反らした顔を こっちに向けて
キョトンと 瞳を見開いて
翔「あなたが誰を見てるか あの子は気付いてたよ
俺を追い越すくらいに凄い人間になって自分を見てもらえるように努力するって言ってた」
智「そっか…」
少し瞳を細めて
何を考えてるのかは読み取れないけど
智「じゃあ翔くんは追い越されないように頑張んねーとな」
翔「そうだね 精進します」
あなたのこころが
ずっと緋で染まっていてくれるように
END