第18章 後輩ー智②ー
収まりきらない赤い液体が
離れた智くんの唇から流れる
それを軽く手で拭いながら
俺を見たままペロッっと舌で舐めあげて
智「知念に何を言ったかは知んねーけど 嘘ついてまですることか? 」
この緋は 怒りなの?
翔「さ…」
智「おいらは翔くんしかいらない そんな解りきったこと自分でハッキリ言える」
するりと伸びてきた腕が
俺の首に絡まる
至近距離に見るあなたは
有無を言わせない 強く誘う瞳で
誘われるままに 唇を重ねる
翔「…ん…」
智「…っん…」
最初からお互いの口内を貪りあう 激しいそれは
厭らしい水音を響かせて
弁解しようと思っていた俺の脳内を麻痺させる
あなたの頭を掻き抱いて
歯列をなぞったり 舌を吸ったり
余すところなくその口内を堪能すれば
やっと離れた時には
あなたの唇は赤く 艶を帯びて
智「…おいらが…欲しい…?」
腕をほどき 俺から離れて
挑戦的な微笑みを浮かべて
あなたしかいらないって
いつも言ってるじゃない
それなのに
どうしてそんなに怒ってるの?
俺のしたことは
そんなに気に障ることなの?