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爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇

第5章 悪意 中國山地


 近畿地方を軍事制圧する近衛秀国は側近である女官近衛和泉の補佐を得ながら、苦心して山陰陽の平定を成し遂げていった。特に神戸を拠点とし、ムスリムとしてのネットワークを駆使して大いに強勢を示してきた宇喜多清真と、雲州平田に広大な館を設け「日本人の民族性を刺激」する創国神話を喧伝する事で出雲地方の支配を正当化していた出雲介尊久がそれぞれ率いる軍閥を従えるのには非常に苦労をした。一進一退の攻防を繰り返した後、劣勢を否定し難い情況を見て取った宇喜多清真は出雲介尊久自ら率いる軍勢を神戸にて出迎え、「福原血盟」と呼ばれる軍事同盟を締結し反近衛派として東京政府や星川軍閥等との関係を結ぶ等外交を展開し山陰陽の諸勢力に次々と調略を仕掛け、秀国を悩ませていた。出雲介尊久は宇喜多が結び付けた外交関係を背景に攻勢を繰り返し、勢力延伸の果てに伯耆境港を巡って遂に近衛秀国の親征と正面から激突した。猛将出雲介尊久の采配と、配下で「今趙雲」或いは山中幸盛に準えて「麒麟児」と呼ばれた山路兵介の英雄的な武勇に煽られた出雲勢は畿内軍を幾度か退け、三好秀俊等秀国配下全将軍に敗北を味合わせる大奮闘を見せた。しかし、尊久は秀国に迫った際に彼より負わされた傷を癒しに向かった出雲玉造温泉の宿にて入浴中に前触れなく苦しみ出し、そのまま湯船の底に沈んで死んだ。後を継いだ孝久(よしひさ)は幼く、孝久を擁した祖父盛久(もりひさ)は倅尊久の死に憔悴しきって精彩を欠く事目に余った。境港陥落と中華ソビエトからの軍事支援を受けた畿内軍閥の攻勢により宇喜多の手による調略で従った諸将は次々と降伏し、或いは壊滅させられた。最早、盟友出雲介を統率する者はなく、宇喜多も徹底抗戦を断念。宇喜多は出雲地方へ侵攻した畿内軍との戦闘を避けて援軍要請を適当な理由で拒むと密かに畿内の有力者である近衛秀保に接近し、神戸に軍を率いる秀国を自ら迎え入れて降伏した。孤立無援となった盛久と孝久は出雲一畑薬師に出向いた宇喜多清真の説得に応じ、宇喜多からの仲裁依頼を受けた近衛秀保の口添えを得た秀国を平田館に迎え、服属を願い出た。こうして近衛秀国の手中に山陰陽は粗方落ちる事となった。功績には礼と実を以て報いる秀国は和泉の反対を押し切って、出雲介を下すのに大きな役割を果たした宇喜多清真を山陰陽方面の大都督に任じると共に、彼に「山陰陽太政官」として地方の全権を委任した。
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