爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第2章 屋代島攻防戦
山頂が近づいてくる。一歩一歩登りきるのが、まるでロスタイムだ。しかし、あのストーカー野郎がいるかも知れない。山狩りをしつつ登ってきて、敗残兵の掃討を繰り返してきたが、遂に細工した銃を携えた変態を見つける事は叶わなかった。だが、今となっては最早奴とて隠れて縮こまっているしかない。そう思っていた。
山頂が目の前になると、サンジは旗を広げて駆け出した。
「待て、サンジっ!」
サンジ、その後背の俺の肩越しに怒鳴った赤毛のテッド ボイル(Ted Boyle)兵曹の声はサンジの耳には届かなかった。赤毛で痘痕(あばた)面、それに加えてチビであるボイルの声はサンジには届かなかった。旗を掲げて山頂に降り立ち、今それを突き立てようとしていた。サンジは両手で棒を握り、それを振りかぶって、地へ振り下ろす。
従軍している記録班がやむを得ず、サンジの後を追った。
早まりはしたが、後悔は全くない。そういうサンジに辟易しつつも、俺達は一応「終わり」を感じた。
全てが報われる。筈だった。