爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第2章 屋代島攻防戦
オオシマにはウキタという敵の将軍が送り込んだ「アメリカ人狙い」のストーキング野郎(sniper)がいて、教官面していい気になっていた士官学校以来の同輩12人を軒並み殺していった。加えて、ナガフネとか言う敵共にアメリカ陸軍が鍛えた山岳レンジャーが随分と殺された。ウキタの兵達はここオオシマにおいては大して手強くなかったが、この連中だけには酷い目にあった。「ストーカー野郎」とナガフネには、多くの島民の将校達が殺され、教練を無駄にされてきた。「ストーカー野郎」は撃った音を残さない様に銃に手を加えている。また、狙撃ポイントから割り出して囲い込んだ時には、囲い込んだ隊長が山の中にいつの間にか引き摺り込まれ、首と胴が別れた状態で翌日見つかった。とんでもない変態猟奇野郎に俺達は目をつけられていた。奴の事を言うと、ケツの穴がギュって締まるんだ。そういう気分だって事だ。
だが、それでもアメリカ軍を主力とする同盟軍はオオシマを席巻し、オオシマの庁舎に籠る敵を平らげればゲームセットだった。その為に、チョウカイザンに逃げ込んだ敵を皆殺しにし、山の頂上に帝国の旗を立てるというお決まりの「勝利宣言」をする事になった。
旗を持って駆け上がる陸軍大尉(captain)サンジ ムラナカを護衛して旗を立てさせる様に命じられた俺と海兵隊員は山道を登りながら、庁舎へ砲撃を繰り返す音を耳にしていた。
俺にとって、小高い丘に旗を立てるのは、何よりもやりたい事だった。ジイさんがよく見せたイオージマの戦いの映画において、最高潮はまさしく星条旗がスリバチヤマに掲げられる、その瞬間だった。戦闘の終いに掲げられた祖国の旗を見上げる事で、全ての苦労が報われる。そう、ジイさんは言っていた。しかし、今度立てるのは同盟国の旗だ。正直やる気が削がれる。そんな気分で勝ち戦の余裕を以て道を登っていくと、傍らで、展開せずに丸められた国旗を大事そうに握って歩いているサンジが声を発した。
「ゴルゴタ(Golgotha)の丘から、イエス(Jesus)は何が見えたんでしょうね」
んなもん、知るか。
とは言わなかったが、今の気分で答えられるほど、ファニーな話でもない。俺は適当に、さあな、とだけ相槌して適当にかわした。