爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第1章 西海之役
「う、うん」
「なら、貴方には世の中を渡る身軽さが必要なんだ。余計な重石は博多湾に沈めなさい」
首相は理念に沿って反論できない。現実を知らない身ではないのだ。
「途方もない夢、受け入れ難い理想だよ。帝国の根幹にはケダモノの性(さが)がある。そいつを人間にしてやるんだろ? なら駄目だ。貴方の敵は救い難き『暴君』の手先。一朝一夕で打ち破れない」
「『暴君』…?」
「特定の誰彼じゃないよ、念の為」
大尉は少し笑った。
「まあ、何だ。かつてギロチンの返り血を浴びてでも万民に理性社会を授けようと、理想を遂げようとした奴もいたが、結局暴走の果てに自分の首が飛んだ。その後待ってたのは腐敗と専制、大戦争の挙げ句の破綻と復古だ。犠牲はみんな無駄になった」
「・・・・・・・」
「一旦始めたらやり遂げないと。貴方の理想は本当に重い。その為には…勝ち残れ。それ以外考えなさんな」
「・・・・・わかってる」
分かってるけど。そう言いたくはなった。