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お菓子の魔女の言う事には。

第2章 お菓子の魔女の正体は。


「協定?どういう事だ?」

草薙が聞き返す。

「だって向こうは集団、遊作や草薙さんは2人でしょ今の所。消耗戦になったら負けちゃうし。だったらここで僕を頭数に入れてみない?ってこと」
「駄目だ」
「えー、何で~?自分で言うのはアレだけど、その辺のデュエリストよりは遥かに強いよ?ねっ、AIさん?」

カチッとスピーカーをONにすると今まで会話に参加できなかったAiが援護射撃を開始する。

『俺様はさんせー!Playmaker様だけだと頼んないんだよなぁー。名無しも見た所、デュエルの腕はそこそこだし大丈夫ダロ。少なくとも俺様の勝率計算覆すぐらいなんだからヨ』
「お前に決定権なんか無い」
「…俺も賛成かな」
「草薙さん!」

言っている意味が分かってるのか、と言わんばかりに遊作が食って掛かる。しかし、伊達に保護者代わりはしてないのか草薙が宥める様に言う。

「遊作、お前が反対する気持ちも分かる。友達は大切だからな?特に、お前が関わり持つなんて珍しいし、名字さんは良い奴なんだろう。
…―――でも、俺はそれ以上に…、弟の事を救いたい」
「!!」

真剣な面持ちの草薙に、遊作は、ハッとした表情になる。

「名字さん、自分の提案が危険なのはわかってるよな?」
「勿論、寧ろこの協定結べない方が僕にとってはマイナスなんですよ。リンクヴレインズは電脳空間、デュエル以外なら相手の方が知識も技術も卓越してる。僕、機械はあんまり詳しくないから…ハノイが僕も敵認定したなら2人の援護があった方が心強いです」
「OK,協定成立だな」
『残念だったなー、Playmaker様。お前今、ぼっちってヤツだな』
「黙れ」
「…。ま、デュエルも2回くらい見ただけだし、それで足引っ張る奴か、信用に足る奴かどうかなんて判断つかないよね」
「…」
「だから『仲間』だなんて言わないよ。『協定』を結んでる相手なんだ。遊作が無理と思ったら切り離せば良いんだよ。その方が楽でしょ?」
「…自分で言った事、忘れるなよ」
「うん、わかった」

『じゃあ、これからよろしくね?』と名無しは手を出してきた。遊作がやっぱり躊躇していると草薙が『ハイハイ、ここはこうしとけば良いんだよ』と無理やり握手をさせる。

「…何の握手なんだ…」
「これ?これはねぇ…」


お菓子の魔女の言う事には、これは協定締結の印…らしい。
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