第2章 お菓子の魔女の正体は。
「私のターン、ドロー!スキル『ダブルドロー』を使用する!」
「あら、これはマスタールールのデュエルなんですが…。どんな場面にでも使用できる開発されたスキルという訳ですか。なるほど、ハッカー集団と呼ばれるのも頷けますね」
何度目かのハノイの騎士のターン。すぐに勝利が決まると考えていた彼は若干苛立ちながらも加わった2枚の手札を見る。
「…ふっ、貴様の悪運もここまでのようだな」
「良いカードは引けましたか?」
「減らず口を!」
場には既にクラッキング・ドラゴンが召喚されている。対して魔女の場には効果で攻撃力0になったマドルチェ・マーマメイド(★4、800→0/2000)が守備表示で存在し、伏せカードが2枚ある状態だ。
「装備魔法、 エアー・クラックストームを発動する!」
「貫通効果と連続攻撃ですか。Playmakerさんとのデュエルでも使ってましたね」
「その通り…更に私は魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地に送っていたもう一体のクラッキング・ドラゴンを特殊召喚!これで終わりだ小娘!クラッキング・ドラゴンでマドルチェ・マーマメイドを攻撃!!」
「罠カード『和睦の使者』発動!」
破壊と戦闘ダメージ無効の効果が発動し、ハノイの騎士は歯ぎしりをする。
「チッ…悪あがきを…!まぁ良い。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
「それでは私のター…」
言葉を紡いでドローに移ろうとしたその時、空から声が降ってくる。
「ハノイの騎士!今すぐこのデュエルを止めろ、お前の相手は俺だ!」
「「!?」」
タンッと着地をし、お菓子の魔女とハノイの騎士の間に割り込むようにPlaymakerその人だった…---。