第5章 実渕×額と額を合わせる
「玲央ねー」
いつも隣に誰かしらいるはずの琥珀が2年のクラスまで来るのは珍しかった
いつもは赤司か琥珀が隣にいるはずなのに
実「珍しいわね」
それは同じクラスの人たちでも思うこと
生徒会長の赤司の隣にいることから、会長の彼女または猫のように愛らしいとか意味を込めてネコと呼ばれている
「どうしたの、ネコ」
「お菓子いる?」
「!欲しいです!」
なんて、可愛がられるのはいつものこと
じゃなくて、なんてお菓子を貰ってから改めて実渕へと顔を向ける
「龍輝がね、熱出してる」
実「え?」
そんなこと微塵も感じさせてない
一緒に朝練に向かう時も、教室に向かう時も
あぁ、この子は本当に色んなことを見ているなんて
実渕は用意していたお菓子を琥珀へと渡す
実「ありがとう
あぁ、小太郎!
琥珀を送ってあげて!」
葉「OK!
てか今日もお菓子をたくさん貰ったんだな」
葉山の言葉に渡さないもんねーなんて笑い声が廊下に響き渡る
確認後に龍輝のクラスへと向かう
「おーい、旦那来たぞ」
の声を聞く前に、実渕は龍輝の顔を覗く
いつもよりは確かにしんどそう
「玲央?
どうかした?」
実「ネコが来たのよ
熱あるってね」
ネコ?なんてハテナを浮かべる彼女にここまでとはなんて
屈み込み額と額を合わせる
いつもより、熱いなんて
ボンッと顔を真っ赤にさせる彼女が可愛らしくて、ふふと笑みを浮かべる
実「じゃあ、お姫さま
お聞きするわ」
「え…」
実「私に抱っこされて行くか、お姫さま抱っこどちらがいい?」
「どっちも恥ずかしいやつ!」
なんて言葉にお姫さま抱っこして、公開処刑された琥珀の話は洛山でも有名になった
すみません、キャラがたくさんいて
友達2人におくりつけてて