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【WJ】短編 -2-

第11章 【裏】見えない優しさ/ナッシュ・ゴールド・Jr


 目が覚めるとそこには不安そうに私の顔を覗き込むさつきちゃんがいた。


「遥香ちゃん…!」


 目を覚ますや否や、首元に抱き着いてきたさつきちゃん。状況が読み込めず、目をパチパチとさせた。


「あれ…?私、どうして…?」


 さっきまでナッシュと実家にいた筈なのに…。


「ナッくんがヤり過ぎたら倒れたなんて言って連れてきたんだよ!ホント信じらんない!久しぶりに会えて嬉しいってのは分かるけど…!でも、それってあんまりだよ…!遥香ちゃん、あんなにナッくんとのデート楽しみにしてたのに…!」


 さつきちゃんの口振りから、気絶した私をナッシュがここまで連れてきてくれたのだと分かった。


「…ねえ、さつきちゃん。ナッシュはもう帰っちゃった?」
「え?…多分、きーちゃんが凄い剣幕で怒ってたからまだ言い合ってると思うけど。」
「私、行ってくる。」


 靴を履き、私の名前を呼ぶさつきちゃんに振り返らず、ロビーへと走った。すると、ホテルの外で声を荒らげ怒鳴っている涼太の声が聞こえた。それを気だるそうにしながら聞いてるのか聞いてないのかよく分からないような表情でナッシュが涼太の前に立っているのが見え、二人の元へ駆け出した。

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