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【WJ】短編 -2-

第11章 【裏】見えない優しさ/ナッシュ・ゴールド・Jr


 ナッシュは車通りのある道に出ると私をおろし、タクシーを止めた。そして、そのまま私の両親が住む家へと連れて行った。ナッシュから借りた上着の下はボロボロで、そんな格好のまま実家に入るのは気が引けたが、このままホテルに戻れば、皆に心配をかけてしまう。仕事が多忙で家を留守にしがちな両親は遠方から娘が来ようとも、それに合わせて休みを取るような人じゃない。その二つが後押しし、重たい足を進ませた。家に入ると、案の定、両親達はおらず、その事にほっと胸を撫で下ろした。彼らに触られた体の至る部分が気持ち悪くて堪らなかった。取り敢えずシャワーを浴びようと思い、ナッシュに待ってて欲しいと伝えると、背後からナッシュに抱き締められた。


「ナッシュ…?」


 ナッシュはサイズの合わないブカブカの上着に手を掛けると、それを無理矢理脱がした。


「…やっ!」


 借りていた上着を脱がされた事で、ボロボロになった洋服が姿を現した。勿論、ナッシュ以外の男に素肌を見せるのは嫌だったけど、汚れた体をナッシュに見られるのもそれと同じ位嫌だった。なのに、ナッシュは私の体を求めた。


「ナッシュ…!お願い、イヤ…っ、やめて…!」
「遥香。お前は誰のもんだ?」
「え…?」
「遥香に触れていいのは俺だけだ。お前の身も心も、全部、俺の物だ。これは勝手に他の奴に触らせた罰だ。」


首筋に鋭い痛みが走った。けど、その痛みをかき消すように、ナッシュは私の敏感な部分を攻め立てた。あんな事があったばかりで、そんな気分じゃないのに、ナッシュは何処をどうすれば私が悦ぶか熟知している。そんなナッシュの手を受け入れてしまっては最後。私の体はナッシュを求め始めていた。

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