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いとし、いとし【短編集】

第8章 手のひらの効果【krk 桜井良】


頭痛い。
お腹痛い。
腰痛い。

月に一度やってくる地獄の一週間。

2日目の今日は、この三重苦の中で球技大会をやるという、鬼の様な1日だった。

嫌だ。
休みたい。

それでも…

スポーツ特待でこの学校に入学して寮で生活をしている私は、この理由では休むなんて出来ない。


はぁ、憂鬱。



「早く効いてよ…痛み止めさん」

なかなか効果の現れない痛み止めに不満を漏らしながら、体操着姿で机につっぷしていると、


「結依?大丈夫ですか?」


と、私の彼が可愛い顔を歪ませて、心配そうに覗き込んだ。



「良。おはよ。なんとか生きてるよ」





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