• テキストサイズ

いとし、いとし【短編集】

第43章 12月3日 帰り際【krk 水戸部凛之助】



両手にたくさんの荷物を抱えた水戸部くんを見つけた。


少し眉を下げて困ったように、でも幸せそうな顔をした彼の腕から一つ小包がこぼれ落ちる。

コトン…

廊下に響く音。

床に落ちたものを拾おうと、彼が大きな身体を屈めれば、今度はバサバサと腕の中のものが床に散らばった。

先程よりも更に水戸部くんの眉が下がる。

慌てて拾い集めて、でも立ち上がろうとすると小包がコロコロと腕から転がり落ちて。

オロオロと同じ事を繰り返す彼に思わず駆け寄った。


「大丈夫?」

声をかけると、少し気まずそうに微笑んだ水戸部くんがコクリと頷く。

足元の小包を拾いあげて、彼に渡そうとすれば【HAPPYBIRTHDAY】の文字が目に入った。

もしかして…
/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp