第43章 12月3日 帰り際【krk 水戸部凛之助】
両手にたくさんの荷物を抱えた水戸部くんを見つけた。
少し眉を下げて困ったように、でも幸せそうな顔をした彼の腕から一つ小包がこぼれ落ちる。
コトン…
廊下に響く音。
床に落ちたものを拾おうと、彼が大きな身体を屈めれば、今度はバサバサと腕の中のものが床に散らばった。
先程よりも更に水戸部くんの眉が下がる。
慌てて拾い集めて、でも立ち上がろうとすると小包がコロコロと腕から転がり落ちて。
オロオロと同じ事を繰り返す彼に思わず駆け寄った。
「大丈夫?」
声をかけると、少し気まずそうに微笑んだ水戸部くんがコクリと頷く。
足元の小包を拾いあげて、彼に渡そうとすれば【HAPPYBIRTHDAY】の文字が目に入った。
もしかして…