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いとし、いとし【短編集】

第39章 一週間遅れの…【krk 紫原敦】


先週一週間、私はインフルエンザで登校できなかった。

はれて登校許可が降りたのが昨日。
一週間寝てばかりだったので、久しぶりの学校はちょっと疲れたけどやっぱり楽しかった。


そして今日…

「いつまで待てばいいのー?いい加減ひねりつぶすよ」


登校していきなり、目の前に現れた巨人。

その規格外の大きな手が、ぬっと目の前に出された。


「俺、結依ちんから貰ってねーし」


貰ってない…?
何を?


「えっと…何か提出するプリントあったっけ?」

「ちげーし。ってか、なんで俺がプリント集めなきゃなんねーんだし」

彼の眉間にシワが寄る。


「そう…だね…」


えっと…
えーっと…

「何か、借りてたかな?」

「ちげーし!」

「じゃぁ、ノートとか貸す約束してた?」

「ちげーし!」

「えっと…紫原くん、誕生日…だっけ?プレゼント?」

「だから、ちげーし!!!」


違う、違うを繰り返されても、解らないものは解らない。

いったい、紫原くんは私から何が欲しいんだろうか??


「ごめん。何の事だか解らないんだけど…。私、紫原くんに何かを渡す約束したっけ?」


そう言うと、目の前の彼の威圧感が増した。

なんとなく、マズイ気がする…。


「なんで、わかんねーの?バレンタインだし!」

「は?」


えっ?バレンタイン?

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